第59回
アイドルとクラブシーン Part 13
僕の中の最高のアイドル…dream その7


僕の人生の中で最も重要な位置を占めるアイドル…dream。dreamは2000年1月1日、当時、16歳の松室麻衣、14歳の長谷部優、同じく14歳の橘佳奈の3人で結成され、「Movin'on」「Heart on Wave」「reality」「My will」「Our Time」「Get Over」など、12枚のシングルと3枚のアルバムをリリース。その後、2002年6月、その素晴らしい作詞を手掛けていた松室麻衣が卒業し、2人になってしまったdreamに、なんと新しく6人のメンバーが加入。8人になった新生dreamが誕生した。新生dreamとしてのファーストシングル「MUSIC IS MY THING」を2003年2月にリリース。80年代ユーロビートの名曲中の名曲をカバーしたそのシングルは、オリジナルよりも重低音響く、よりダンサブルな作品に仕上がっていた。ファーストシングルが、dreamを好きなアイドルファンのみならず、ダンスミュージック関係者たちからも評価が高かったことから、期待されていたニューアルバムが、同じく2003年2月にリリースされた。そのアルバム「dream world」に収録されている12曲すべてが、80年代に世界中のディスコでDJプレイされまくったメガトン級の大ヒットナンバーのオンパレード。「I BELIEVE IN DREAMS」「In the name of love」「EVER AND EVER」「King & Queen」「Help me」などなど…。
満を持して、そのdreamのライヴが2003年5月に日本青年館で行われた。当然、「dream world」に収録されているナンバーも披露されたが、話題となったのは、「STAY」というタイトルの、dreamのメンバーが演じるミュージカルだった。そのミュージカルの中にdreamのそれまでのナンバーが散りばめされていたのである。約2時間のライヴの中、40分がこのミュージカルという力の入れようだった。
2004年になると、今度はミュージカル主体の展開が始まった。「ID」(アイデンティティ)というタイトルのミュージカルを、新宿の「シアターアップル」で開催。ミュージカルの後にミニライヴを行うという新しい流れが示された。また、このミュージカルを最後に、メンバーの1人、阿井莉沙が卒業、dreamのメンバーは7人になった。新生dreamのメンバーは全員、歌とダンスに限らず、演劇からお笑いまで、何でもこなすマルチアイドルグループをめざすという方向性で結成された。それ故、7人のメンバー全員がメチャクチャ味のある個性の持ち主ばかりなのである。にも関わらず、この「ID」というミュージカルは、自分のアイデンティティを探すという、深く難解なテーマ(まるで「新世紀エヴァンゲリオン」のよう!?)であり、せっかくのメンバーの個性が引き出せないような感じがした。
スタッフもそれを感じたのか、2004年7月に行われた「dream party2」では、タイトル通り、超ド級のダンスパーティーチューンばかりを、ほぼノンストップで展開!! 元気で明るくダンサブルなdreamが披露された。
その後、松室麻衣が作詞を手掛けた初期の3人時代のdreamのシングルを、7人の新生dreamが再レコーディングして、アルバム「777」としてリリース。改めて、松室麻衣の作詞の才能を、多くのファンが再認識した。
2005年に入り、dreamはさらに新たなステージに突入しつつある。オリジナルメンバーの長谷部優がソロでDVDを発売、そして、山本紗也加もソロCDをリリースすることが決定した。
夏から7カ月に渡って連載してきた「僕の中の最高のアイドル…dream」シリーズ。それも今回で終了となるが、僕の今までの人生の中で最も重要な位置を占め、そして、今現在も毎回、ライヴに通っているアイドル、dreamをこれからもずっと見守っていくつもりだ。僕の人生の中で最も重要な位置を占めるクラブライフとdreamがシンクロしていくことを願いつつ…!!